発行日 2012年7月1日
Published Date 2012/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012314037
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47歳女。発熱を主訴とした。CTで右主気管支内腔へ突出する、辺縁平滑で境界明瞭な径25×20mmの結節を認め、結節は右上葉気管支を閉塞していた。気管支鏡で右上葉気管支を閉塞する腫瘍を認め、腫瘍は右主気管支内腔へ突出しており、模様部に新生血管がみられた。FDG-PETで結節に一致して遅延相でより強い集積を認め、悪性腫瘍が疑われた。原発性肺癌を疑い、胸腔鏡補助下右上葉管状切除および気管支再建を施行した。術中迅速組織診断は神経鞘腫であった。術後の病理組織学的検査で腫瘍の表面は正常な気管支粘膜に覆われ、腫瘍部は異型のない紡錘形の細胞が柵状、交錯状に増殖していた。免疫組織化学検査ではS-100蛋白が陽性であり、神経鞘腫と診断した。腫瘍は紡錘形細胞が密に増殖するAntoni分類A型の部分と、細胞成分に乏しいAntoni分類B型の部分が存在する混合型であった。術後経過は良好で、術後19日に退院となった。
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