発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052487
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
54歳女。胸部異常陰影を主訴とした。CTで右B6の分枝から底区気管支壁に接する径26mm、充実性で辺縁平滑な結節影を認めた。気管支鏡では、右底区支は粘膜下腫瘤により壁外狭窄を来たしていた。粘膜表面には怒張した血管を認め、易出血性であった。CTで良好な造影効果を有する腫瘤で、血管性の病変も否定できなかったため血管造影を行った。右気管支動脈の下行枝から栄養されるhypervascularityを有する腫瘍を認め、特に硬化性血管腫の可能性が高いと診断した。しかし、悪性腫瘍も否定できず、手術を施行した。腫瘍は底区気管支との癒着が高度で、核出術は不可能と判断し、底区切除を施行した。迅速病理診断では間葉系腫瘍の所見であった。組織学的所見で、紡錘形細胞の小束と、核の柵状配列を認め、免疫組織学的にはS-100蛋白が核と細胞質で陽性であり、神経鞘腫と診断した。経過良好で、術後8年が経過し、再発の所見は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2008