発行日 2012年5月1日
Published Date 2012/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012264919
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症例1は73歳男性で、4年前に多発性骨髄腫による末期腎不全のため血液透析導入された。胸痛が出現し、冠状動脈造影で左冠状動脈主幹部病変を認め、左内胸動脈を採取して心拍動下冠状動脈バイパス術を施行した。術後創部からの膿性分泌物を認め、縦隔洞炎の診断で大網充填術を行ったが、72日目に敗血症で死亡した。症例2は68歳女性で、呼吸困難で僧帽弁後尖逸脱による僧帽弁逆流を認め、更に骨髄穿刺で多発性骨髄腫と診断された。心不全症状が増悪し、後尖を温存して機械弁を用いた僧帽弁置換術を施行した。術後5年経過し存命中である。症例3は78歳男性で、腹痛で胸腹部大動脈瘤切迫破裂と診断され、腎動脈・上腸間膜動脈・腹膜動脈の再建を伴う人工血管置換術を施行した。術後尿路感染による敗血症性ショック、硬膜下出血・クモ膜下出血を認め、汎血球減少が持続するため骨髄穿刺を施行したところ、多発性骨髄腫と診断された。術後99日に敗血症で死亡した。
©Nankodo Co., Ltd., 2012