発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009234162
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58歳男性。腹満感と便秘を主訴に近医を受診、造影CTにて胸腹部大動脈瘤を指摘され、著者らび施設へ紹介となった。入院時、CTでは腎動脈上腹部大動脈に複数の穿通性動脈硬化性潰瘍(PAU)が認められ、これらは2週間で急速に拡大した。そのため、破裂の危険があると判断し、準緊急で手術が行なわれた。手術は第8肋間開胸、後腹膜経由にてアプローチし、4分枝付き24mm人工血管を用いて、肋間動脈1対、腹腔動脈、上腸間膜動脈、両側腎動脈を再建し、胸腹部大動脈人工血管置換術を行った。その結果、病理組織学的にPAUを伴う大動脈瘤であった。術後は経過良好で、目下、術後1年経過で新たなPAUの出現は認められいない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009