発行日 2014年1月1日
Published Date 2014/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2014140143
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症例は68歳男性で、嚥下困難を主訴に、精査の結果cStage IIIの進行食道癌と診断した。術前docetaxel/fluorouracil(5-FU)/cisplatinによる3剤併用療法を施行後、右開胸開腹食道亜全摘、胸骨後経路胃管再建、頸部食道胃管吻合、2領域リンパ節郭清、経胃管的腸瘻造設術を行った。術後第4病日より右胸腔ドレーンから白濁した胸水の排出を認め、胸水中トリグリセリド値が上昇を示したため、乳び胸と診断した。経腸栄養を成分栄養剤に変更したところ、胸水の混濁は速やかに改善したが、第22病日に乳び胸が再発した。右胸腔ドレーンの再留置と絶食・高カロリー輸液による保存的治療を開始するも改善せず、近赤外蛍光システムを用いたリンパ管造影にて、気管分岐部近傍でのリンパ漏が確認された。第44病日にOK-432 10KEの右胸腔内投与、第52病日にOK-432 10KEとminocyclineの右胸腔内投与を行い、CTにて良好な胸膜癒着がみられたため、第60病日に右胸腔ドレーンを抜去し、第70病日に退院となった。
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