発行日 2007年3月1日
Published Date 2007/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007163893
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自然気胸患者112例(罹患数:168例)を、治療法別に比較した。男性93例、女性19例で、平均40.6歳であった。入院時、全例に胸部CTを行い、肺嚢胞病変の有無を確認した。X線像では肺虚脱率を評価し、10%以下は安静とした。また、それ以外は胸腔ドレーンを挿入し、2~3日後のCTで「肺瘻なしor消失」症例には保存的療法を、「肺瘻継続」症例には癒着療法or手術を行った。保存的治療を97例(57.7%)、外科的治療を71例(42.3%)に行った。術後再発は、保存的治療:41例(42%)、外科的治療:8例(13%)であった。保存的治療97例では、入院時CTで肺嚢胞「あり」の77例中37例(48%)が、「なし」の20例中4例(20%)が再発した。再発までの期間は、保存的治療:275±70日、外科的治療:852±197日であった。癒着療法(75例)の有効率は27.7~64.7%(30/75例)であった。入院時の胸部CTで肺嚢胞がみられる場合は、積極的に手術を行うべきだと考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2007