発行日 2004年10月1日
Published Date 2004/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005051663
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65歳男.労作時呼吸困難,嗄声を主訴とした.近医で撮影した胸部X線像で右側に多量の胸水を認めた.入院後,胸腔ドレナージにて1000ml以上の黄色透明な胸水が吸引され,細胞診はclassIIIであり,胸部造影CTにて胸壁の結節性腫瘤と縦隔リンパ節の腫大を認めた.ドレナージ開始3日後より気胸が出現したため,胸腔鏡下に気胸の修復とともに腫瘤部の生検を行ったところ,上皮型のびまん性悪性胸膜中皮腫と診断された.OK432,doxorubicin hydrochlorideの胸腔内注入による胸膜癒着術を施行した後は全身状態,呼吸機能ともに良好であり,IMIG病期分類II期(T2N0M0)と判断して右胸膜肺摘除術を行った.病理学的に胸壁の筋層および脂肪織への浸潤と縦隔リンパ節転移を認めたが,術後cisplatin,gemcitabine hydrochlorideによる化学療法を2コース施行し,grade2のWBC減少以外の重篤な副作用を認めることなく術後25ヵ月間無再発生存中である
©Nankodo Co., Ltd., 2004