発行日 2011年12月1日
Published Date 2011/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012213769
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症例は65歳女性で、安静時呼吸苦を主訴とした。約3年前に右下葉の肺大細胞癌(pT2N1M0)のため右肺摘除術を受けていた。X線で心陰影は正中より右側に移動し、左肺は右胸腔へ膨脹していた。CTで縦隔の右側移動を認め、左主気管支は椎体により後方から圧迫され、内腔の狭小化と左肺の過膨脹が認められた。肺摘除後症候群と診断し、呼吸不全の改善を目的にCTガイド下に右胸腔に18Gシリコンカテーテルを挿入し、100mlの空気注入による縦隔の復元を試みた。その結果、著しい症状の改善が得られ、3日後に空気の注入を簡素化するための中心静脈ポートを右胸壁に埋め込んだ。以後1ヵ月ごとに外来でポートを介し空気を300~500ml注入している。
©Nankodo Co., Ltd., 2011