Pancoast型肺癌の手術
治療成績 Pancoast型肺癌に対する外科治療 アプローチの選択と術前化学放射線療法の重要性
雪上 晴弘
1
,
棚橋 雅幸
,
羽田 裕司
,
鈴木 恵理子
,
吉井 直子
,
丹羽 宏
1聖隷福祉事業団総合病院聖隷三方原病院 呼吸器センター外科
キーワード:
Pancoast症候群
,
呼吸不全
,
十二指腸潰瘍
,
心房細動
,
腺癌
,
乳び胸
,
膿胸
,
肺炎
,
肺切除
,
扁平上皮癌
,
出血-術後
,
生存分析
,
腺扁平上皮癌
,
後向き研究
,
大細胞癌
,
治療成績
,
ネオアジュバント療法
,
放射線化学療法
Keyword:
Adenocarcinoma
,
Atrial Fibrillation
,
Carcinoma, Squamous Cell
,
Chylothorax
,
Duodenal Ulcer
,
Pancoast Syndrome
,
Respiratory Insufficiency
,
Pneumonectomy
,
Pneumonia
,
Retrospective Studies
,
Survival Analysis
,
Treatment Outcome
,
Carcinoma, Adenosquamous
,
Empyema, Pleural
,
Carcinoma, Large Cell
,
Postoperative Hemorrhage
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
pp.4-8
発行日 2010年1月1日
Published Date 2010/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010091377
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Pancoast型肺癌切除術46例を対象に、レトロスペクティブに治療成績を検討した。術前導入療法は21例(46%)に施行され、内訳は化学療法1例、放射線療法11例、化学放射線療法9例であった。アプローチは種々の前方アプローチが16例、フックアプローチが30例であった。術後合併症は13例に発生し、肺炎・呼吸不全が6例と多く、術前導入療法施行群と非施行群で発症率に有意差は認めなかった。全体の5年生存率は10.9%で、46例中27例(59%)で完全切除が得られた。完全切除例の5年生存率は18.5%で、不完全切除例の0%と比較して有意に予後良好であった。完全切除例のうち、術前導入療法施行群12例の5年生存率は16.7%、中間生存率は19.5ヵ月で、術前化学放射線療法施行群6例の2年生存率は33.3%、中間生存率は7.4ヵ月であった。以上より、Pancoast型肺癌では完全切除例の予後が良好であり、完全切除率の向上には適切なアプローチの選択と術前化学放射線療法が重要であると考えられた。
©Nankodo Co., Ltd., 2010