発行日 2011年11月1日
Published Date 2011/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012184022
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心拍動下冠状動脈バイパス手術前に、予防的大動脈内バルーンパンピング(IABP)を挿入した65例を対象に、術中の最大カテコラミン使用量、術後最大CK-MB値、IABP抜去時期、抜管時期、術後合併症およびIABP関連合併症を調査した。対象は、左冠状動脈主幹部の狭窄が75%以上の症例、術前にニトロ製剤およびheparinの持続点滴を必要とした不安定狭心症の症例、術前のエコー検査による左室駆出率が30%以下の低心機能の症例、両側頸動脈が75%以上狭窄している症例とした。その結果、術中の最大カテコラミン使用量はdopamine+dobutamineが平均5.8μg/kg/分、noradrenalineが平均0.11μg/kg/分であった。術後最大CK-MB値は平均17±8IU/lであった。IABPは術後2日迄に全例が抜去でき、人工呼吸補助も術後3日迄に全例が抜管できた。IABP関連合併症は、術前CTで下行大動脈の内腔が不整であった症例が術後に下肢塞栓症をきたした1例(1.5%)であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011