CABG 2009年
標準術式としてのOPCAB 統合的CABGアルゴリズムによるOPCAB安全性の向上 ラーニングカーブ初期からの戦略と手技
横山 斉
1
,
高瀬 信弥
,
三澤 幸辰
,
萩原 賢一
,
丹治 雅博
,
高橋 昌一
,
渡辺 正明
,
近藤 俊一
1福島県立医科大学 心臓血管外科
キーワード:
狭心症-不安定
,
心筋梗塞
,
人工心肺
,
大動脈内バルーンパンピング
,
冠状動脈バイパス術
,
アルゴリズム
,
選択的手術
,
緊急手術
,
非体外循環下冠状動脈バイパス術
,
狭心症-労作性
Keyword:
Algorithms
,
Coronary Artery Bypass
,
Angina, Unstable
,
Heart-Lung Machine
,
Intra-Aortic Balloon Pumping
,
Myocardial Infarction
,
Elective Surgical Procedures
,
Coronary Artery Bypass, Off-Pump
pp.28-33
発行日 2009年1月1日
Published Date 2009/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009071781
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心拍動下冠状動脈バイパス術(OPCAB)導入期の心臓外科研修施設でのOPCAB予定400例(男294例・女106例・平均68歳)において、統合的アルゴリズムの有用性を検討した。本アルゴリズムは、術前状態および術中モニタリングから術式や大動脈内バルーンパンピング(IABP)などの補助手段を選択するものである。予防的IABPは54例に用い、高度左冠動脈主幹部狭窄26例、低左心機能16例、急性心筋梗塞7例、不安定狭窄症4例、心室頻拍、僧帽弁逆流各1例であった。術中IABPは12例に用い、肺動脈圧上昇、血圧低下、心電図ST変化が各4例であった。術中緊急人工心肺移行は2例のみで、心臓マッサージは要さず、関連死亡は認めなかった。術後合併症は脳梗塞、低心拍出量症候群各4例を認め、人工透析移行はなかった。入院死亡は3例で、術後腹部大動脈瘤破裂、脳梗塞、肺出血各1例であった。当初から100例ごとに成績をみると、予防的IABPは24%、14%、8%、8%と減少し、術中IABPは各期を通して1~5%、術中緊急人工心肺移行は0~1%であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009