発行日 2009年5月1日
Published Date 2009/5/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009234157
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49歳女性。患者は2005年8月に右冠状動脈(#3)を責任病変とする急性心筋梗塞を発症し、近医にてステント留置術を受けた。同年11月にステント留置部の閉塞、近位部の狭窄病変を認め、著者らの施設にある循環器内科にてステント内ステント留置を含む3個の薬剤溶出性ステント(DES)留置術が施行された。しかし、その後もステントの再狭窄を繰り返し、計8回の経皮的冠状動脈形成術(PCI)を施行されたが、2008年4月に労作時胸痛が頻発し、心臓血管外科へ紹介となった。冠状動脈造影では右冠状動脈には3個のDESが留置されているが、ステント内狭窄がみられ、ステントの末梢(#3)で完全閉塞が確認された。PCIに対し再狭窄を繰り返すため、心拍動下に冠状動脈バイパス術を行なったところ、術後はバイパスの良好な開存が認められ、術後16日目に軽快退院となった。以後、原因不明のCRP値の高値遷延や漸増を認め、胸腹部CTにて冠状動脈病変を伴う大動脈炎症候群と診断され、ステロイド投与が行なわれたが、CRP陰性化を得、患者は冠動脈病変の改善が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2009