発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012171413
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78歳女性。下血と意識消失を主訴に他院のCTにて嚢状型胸部下行大動脈瘤が指摘され、著者らの施設へ救急搬送となった。搬送時、前医での補液により意識清明であったが、胸部下行大動脈瘤切迫破裂の診断で緊急手術の準備をしていたところ、突然ショック状態に陥った。その際に多量の下血と口腔内への出血を認め、胸部下行動動脈瘤の食道穿破と診断、以後、大腿静脈脱血と大腿動脈送血による部分体外循環下でInterGard 22mmを用いて下行大動脈置換術が行われた。更に術後2日目には食道切除、胸腔内胃管再建術が施行されたが、初回手術時に瘤内血栓から連鎖球菌とGram陽性嫌気桿菌が検出されたため、術後はpanipenem/betamipron、piperacillinを4週間投与し、CRP陰性化を確認後はなおlevofloxacin内服を継続した。その結果、感染徴候なく経過し、目下、術後8ヵ月経過で再発なく良好に経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2012