発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2011034205
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著者らは2001~2008年の8年間に食道癌を合併した食道穿孔と診断された7症例(全例男性、年齢49~74歳、中央値55歳)における治療成績を、文献的考察を加えて検討した。その結果、1)初診時の病期は内視鏡的粘膜切除(EMR)時穿孔例のStage 0が1例、Stage IIが1例、Stage IIIが1例、Stage IVaが4例であった。2)占拠部位はMtが4例と最も多く、また深達度はT4が4例(いずれも気管・気管支に浸潤)、T3が2例で、EMR時穿孔例はT1aであった。3)治療は保存的治療が5例、手術治療が2例で、保存的治療の2例および手術治療の1例に食道ステントが留置された。4)食道ステント留置の3例は穿孔部の閉鎖が得られ、進行食道癌の穿孔例では総じて予後不良(2ヵ月~12ヵ月後に死亡)であったが、EMR時穿孔例では術後4年4ヵ月の現在、無再発生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010