発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009296152
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20歳女。Mycoplasma肺炎で受診時のX線異常陰影で胸部大動脈瘤と診断した。自覚症状はなく、第2肋間胸骨左縁および左背部でLevine分類II/VI度の収縮期雑音を聴取した。Multi-detector row CTにて大動脈は左総頸脈分岐後に細くなり上方に屈曲して瘤化して左鎖骨下動脈を分岐していた。さらに瘤や拡張血管が続き下行大動脈は狭窄後拡張し再び細くなっていた。以上より、偽性大動脈縮窄症に合併した胸部大動脈瘤と診断し、手術を行った。左大腿静脈脱血-大腿動脈送血による補助循環下に左総頸動脈分枝後から下行大動脈中枢部まで切除して人工血管で置換し、左鎖骨下動脈は人工血管分枝で再建した。瘤の内腔は隔壁が存在しつつ連続し、最初の屈曲部と瘤末梢の石灰化狭窄部は近接していた。病理所見より中膜弾性板や中膜平滑筋細胞の減少、嚢胞状中膜壊死を認めた。術後下肢動脈拍動は良好になり、術後12日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009