発行日 2012年2月1日
Published Date 2012/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012171412
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56歳女性。原付バイク運転中に乗用車と衝突受傷し救急搬送された。胸部単純X線では左鎖骨骨折をはじめ左第1~10肋骨骨折、右第3~5肋骨骨折を認め、胸腹部造影CTでは多発肋骨骨折、左肺のびまん性挫傷、血気胸に加え、胃と損傷した脾臓の左胸腔内への挙上偏位が認められた。以上より、対処として左胸腔ドレナージが施行されたが、出血性ショックを来したため、緊急開胸および開腹術が行われた。その結果、術中所見では脾破裂を伴った外傷性横隔膜破裂が確認され、脾損傷はIIIa+HV型で修復不可能であったため、これを摘出し、横隔膜は2-0吸収糸で連続縫合閉鎖した。以後、患者は多発外傷により長期のリハビリテーションを要したが、大きな問題なく経過し、術後66日目に退院となった。尚、目下、術後7ヵ月経過で元気に社会復帰している。
©Nankodo Co., Ltd., 2012