発行日 2009年3月1日
Published Date 2009/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009150023
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74歳男。意識障害のため入院となった。貧血およびタール便を認め、消化管出血による急性循環不全に伴う意識障害と診断した、緊急内視鏡検査を施行した。食道内に隆起性病変を認め、造影CTを施行したところ下行大動脈瘤の食道穿破と判明し、緊急手術を施行した。Vancomycin(VCM)に漬けたストレートの人工血管を用いて人工血管置換術を施行した。脊髄虚血のモニターとして運動神経誘発電位を使用した。細菌培養の結果、切除標本から菌は培養されなかった。咽頭培養にてメチシリン耐性黄色ブドウ球菌を検出し、術後7日目からVCMとimipenem/cilastatinに抗生物質を変更した。術後4日目から経管栄養を開始し、21日目に消化器外科へ転科した。術後31日目に胃管を用い胸骨前食道再建術を施行し、経過良好にて58日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009