発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007050577
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62歳男。1年前の交通事故で外傷性くも膜下出血、左大腿骨頸部骨折の既往があり、数ヵ月後より腹痛を訴え、約1年後より激しい胸腹部痛を主訴に受診し急性腹症の診断で当院へ紹介された。約5cmの横隔膜欠損を認め、同部位より胃が左胸腔内に嵌頓してほぼ充満し、縦隔は右方に偏位し、下静脈は拡張しており、急性循環不全を併発した外傷性横隔膜ヘルニアと診断し緊急手術を施行した。還納が困難なため胃大彎を切開し内容物を吸引して切開部を縫合閉鎖し、胃を腹腔内に還納後ヘルニア門を直接縫合閉鎖した。胃内容物吸引直後に循環動態は著明に改善した。術後に再膨張性肺水腫を合併したが軽快し、術後23日に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2006