発行日 2011年9月1日
Published Date 2011/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2012013968
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68歳男。67歳時、左肺癌に対し胸腔鏡補助下肺舌区域切除術を施行されていた。約1年後、倒木の下敷きになり当院救急外来を受診し、血液・生化学所見で軽度の炎症反応と脱水、CPK高値を認め、胸部X線で左側横隔膜の挙上、左胸腔内に胃泡を認めた。また、CTでは胃噴門部が左横隔膜を越えて左胸腔内に嵌入し、左側の胸水貯留と気胸を認め、更に左側胸腔内に癒着を認めた。以上より外傷性左横隔膜ヘルニアと診断して開腹術を施行し、左側横隔膜中央部に10cm大の全層性裂傷部を認め、同部から胃噴門部が胸腔内に逸脱していたため用手的に胃を腹腔内に環納した。広範囲な癒着を認めたが、臓器損傷や肺癌再発の所見はなく、横隔膜裂傷部を閉鎖し、閉鎖型ドレーンを挿入して手術を終了した。術後約1年経過し、肺癌、横隔膜ヘルニアの再発は認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2011