発行日 2004年6月1日
Published Date 2004/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2004259846
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61歳男.交通事故による意識障害を主訴とした.意識は傾眠傾向で,左胸部で呼吸音が減弱していた.血液検査では白血球数が増多を認め,低酸素症を示した.X線では左胸腔内に腸管ガス像を認め,肺挫傷と胸水を伴っていた.左第3から第7肋骨の骨折も認めた.胸部造影CTで,左胸腔内の胸水貯留および,腸管の脱出を認めた.外傷性横隔膜ヘルニアと診断し,緊急手術を行った.胸腔内と横隔膜下にドレーンを留置し,術後は全身管理のためICUに入室した.術後の胸部単純X線像では,左肺野は十分拡張し,呼吸状態も安定していた.肋骨骨折はバンドで保存的に経過観察した.術後経過は良好で,術後第25日目に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2004