発行日 2001年4月1日
Published Date 2001/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00393.2001215250
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症例1:51歳女.交通事故により搬送され,呼吸困難を主訴とした.胸部X写真,胸部CTにより,左胸腔内に管腔臓器の逸脱,両側胸腔内に液体貯留を認め,外傷性左横隔膜ヘルニアと診断した.手術を施行したところ,横隔膜破裂部を経由して胸腔内に胃,横行結腸,脾,大網が逸脱していた.損傷部を非吸収糸で水平マットレス縫合閉鎖した.術後経過は順調である.症例2:41歳男.作業中腹部をユンボに挟まれショック状態であった.胸部レントゲン写真では,右横隔膜が挙上し,縦隔陰影が左側へ偏位していた.両側肋骨の多発骨折を認め,右肺野の透過性が減弱していた.胸部CTで,右胸腔内への肝右葉の逸脱が疑われ,両側腎破裂および広範な後腹膜出血が認められた.以上により外傷性右横隔膜ヘルニア,両側腎破裂と診断した.手術を施行したところ,右横隔膜破裂部を経由して右肝葉,横行結腸が胸腔内に逸脱していた.術中出血のコントロールが困難で死亡した
©Nankodo Co., Ltd., 2001