発行日 2004年9月1日
Published Date 2004/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005017154
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胸壁原発類上皮肉腫の2症例を報告し,同一組織内に再発・転移しやすい本腫瘍に対する外科的治療戦略について考察した.症例1は64歳男性で,有痛性背部腫瘤を主訴とした.術後6ヵ月,10ヵ月,16ヵ月に局所再発し,再切除術を行ったが,初回術後19ヵ月に全身の皮膚に播種を認め,初回術後22ヵ月に死亡した.症例2は24歳女性で,左側胸部痛を主訴とした.術後16ヵ月野現在,再発は認めていない.症例2では,原発巣が2cmと小さかったが,既に同一筋肉内に転移していたことから,切除断端陰性で6ヵ月後に局所再発した症例1では,初回手術時に既に転移巣が存在していた可能性が高かった.症例2のように,肋骨間に発生した病巣では胸腔鏡検査が有効であった.病巣がある程度大きければMRIによる発見も可能であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2004