発行日 2011年6月1日
Published Date 2011/6/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011288491
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54歳男性。うつ病による自殺祈念により自分で左前胸部に箸を刺し、緊急搬送された。箸は心臓を貫通し、その先端は下行大動脈の左側より肋骨に達していた。次第に意識を消失し、心嚢液の増加を認めたため、経皮的心肺補助(PCPS)を施行した後に挿管で呼吸管理を開始し、緊急手術が施行された。手術は上行大動脈送血し、上大静脈と下大静脈脱血により体外循環を確立してからPCPSを離脱し、心停止後に箸を抜去した。その結果、経過は良好であった。尚、体外循環からの離脱は容易で、手術時間は170分、体外循環時間は95分、心停止時間は20分であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2011