発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010155762
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
27歳女。交通事故による全身打撲で救急搬送され、胸部X線像にて左第8・9肋骨骨折を認めた。受傷直後の胸部CTでは心嚢液貯留を認めたが4時間後には消失し左血胸が増悪したため胸腔ドレナージを施行した。その後、心タンポナーデをきたしため心嚢ドレナージを行ったが、ドレーンからの血性排液が持続するため外傷性心挫傷の診断で緊急開胸した。左室自由壁の血腫付着部と一致して心膜と胸膜の損傷および肋軟骨の骨折端を確認できたため、肋骨の断端が胸膜と心膜を貫通し心臓へ損傷をきたしたと考えられた。さらに前下行枝外側の左室損傷からの血液噴出を認め、水平マットレス縫合で止血した結果、術直後より血行動態は安定し、第52病日に独歩退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010