発行日 2006年11月1日
Published Date 2006/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007050569
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症例1(58歳男)。14年前に他院で左内胸動脈(LITA)-右後下行枝(#4PD)と大伏在静脈(SVG)-左前下行枝(LAD)に冠状動脈バイパス術(CABG)施行し、今回は前胸部痛を主訴に精査加療目的入院となった。左房内に57×32mm大の腫瘤を認め、冠状動脈造影よりLAD#6と右冠状動脈(RCA)#2の完全閉塞、高位側壁枝(HL)の75%狭窄、LADに吻合したSVG内ステントの90%狭窄を認めた。冠状動脈病変を伴った左房粘液腫と診断し、左房粘液腫摘出術を先行後に、CABGを一期的に施行した。腫瘍に悪性所見は認めず、合併症もなくグラフトも良好に開存していた。症例2(69歳女)。前医で心筋梗塞、心不全の加療後に左冠状動脈主幹部(LMT)に狭窄を認め、紹介入院となった。左房内に38×25mm大の腫瘤を認め、冠状動脈造影よりLMTからLAD#6、左回旋枝(LCx)#11とHLに90%の狭窄を認め、LMT病変を伴った左房粘膜腫と診断し、左房粘膜腫摘出術を先行後にCABGを一期的に施行した。腫瘍の悪性所見はみられず、合併症もなくグラフトも良好に開存していた。
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