発行日 2010年12月1日
Published Date 2010/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011060416
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41歳女。労作時呼吸困難を主訴とした。全身性エリテマトーデス、抗リン脂質抗体症候群(APS)の既往があり、胸部X線像より心不全の合併が考えられたほか、心エコーにて重度僧帽弁狭窄および閉鎖不全を指摘された。僧帽弁形成術または僧帽弁置換術(MVR)の適応と判断し、心不全の改善を待って手術を行ったところ、僧帽弁尖は著明に肥厚して可動性に乏しく、弁下組織の変性も著しいため、MVRを行った。病理組織像はLibman-Sacks心内膜炎に伴う弁膜症と考えうる所見であり、血栓塞栓症予防を重視した周術期管理によって血小板数の著減や血栓症、感染症を認めることはなく、良好な結果であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010