発行日 2005年8月1日
Published Date 2005/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006004187
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待機的CABGを施行後,冠状動脈造影(CAG)を施行した連続36症例(平均年齢64±9歳,術後CAGまでの平均日数34±18日)を対象にバイパスされた固有冠状動脈の狭窄病変の変化について,術前後で使用したグラフトの血管別でその影響を検討した.その結果,術後被バイパス血管の固有冠状動脈の狭窄病変が進行したものは内胸動脈(ITA)23本中9本(39%),大伏在静脈(SVG)28本中15本(54%),右胃大網動脈(RGEA)11本中4本(36%)で,非バイパス血管の26本中3本(12%)に比べいずれも有意に術後早期に狭窄度が進行していた.この結果から,CABGは比較的術後早期に固有冠状動脈狭窄病変の狭窄度を進行させる症例の存在が示唆され,特に静脈グラフトのSVGは動脈グラフトはITAやRGEAよりもその傾向が強かった.以上より,CABG後は定期的にCAGを施行し,グラフト不全に備えて被バイパス血管である固有冠状動脈の狭窄病変進行の有無を慎重に経過観察することが重要であると考えられた
©Nankodo Co., Ltd., 2005