発行日 2010年11月1日
Published Date 2010/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2011034187
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8ヵ月男。胎児エコーで完全大血管転位症(I型)と診断され、在胎30週1日に切迫胎児仮死のため緊急帝王切開で出生した。出生体重は813gで、出生直後より人工呼吸管理となり、呼吸窮迫症候群(RDS)の合併を認めた。生後1日目に心房血混合不良となり、PFO狭小化に対してバルーン心房中隔切開術(BAS)を行った。また、高位鎖肛合併のため生後2日目に人工肛門造設を行い、8日目に再度のPFO狭小化のためBASを追加し、生後14日目に人工呼吸器を離脱した。体重増加を待って肺動脈絞扼術+体肺動脈短絡術を行い、早期での大動脈スイッチを目標としたが、生後19日目に敗血症を合併し、肺動脈弁位に疣贅を認め、大動脈スイッチ手術は困難が予想された。また、RDSにより低酸素血症が進行し、ICUで持続陽圧呼吸管理が開始され、やむなく準緊急的にSenning手術を施行する方針とした。術後3日目に心嚢液貯留による心タンポナーデのためドレナージを要したが、以後は経過良好で術後20日目に退院した。
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