動脈スイッチ手術の工夫と遠隔成績
長期遠隔成績 動脈スイッチ手術の現状 最近の10年間を中心に
登坂 有子
1
,
坂本 喜三郎
1静岡県立こども病院 心臓血管外科
キーワード:
医学用イラストレーション
,
再手術
,
術後合併症
,
心エコー図
,
心臓カテーテル法
,
大血管転位症
,
大動脈弁閉鎖不全症
,
肺動脈弁狭窄症
,
両大血管右室起始症
,
治療成績
,
大血管スイッチ手術
Keyword:
Arterial Switch Operation
,
Aortic Valve Insufficiency
,
Double Outlet Right Ventricle
,
Echocardiography
,
Cardiac Catheterization
,
Medical Illustration
,
Postoperative Complications
,
Pulmonary Valve Stenosis
,
Reoperation
,
Transposition of Great Vessels
,
Treatment Outcome
pp.274-279
発行日 2008年4月1日
Published Date 2008/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008178592
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最近10年間に当院で行った動脈スイッチ手術42例を対象に、手術成績と術後合併症について検討した。その結果、10年間で病院死亡は2例に認めたが、心臓手術にかかわる死亡は1例(2.4%)のみであった。再手術回避率は10年で84.7%であった。術後に肺動脈狭窄は2例(完全大血管転位(TGA)II型1例、両大血管右室起始(DORV)3型1例)で認め、ともに右室流出路の筋性狭窄も合併していたため外科的解除を要した。術後中等度以上の大動脈弁逆流の発生は5例(TGA I型2例、TGA II型1例、Taussig-Bing奇形(TBA)2例)に認め、うち1例に弁形成術を要した。術後冠動脈合併症として、血流再開により補填自己心膜が膨隆し、右冠状動脈が圧迫される1例(Shaher 4型のTBA)を経験した。
©Nankodo Co., Ltd., 2008