発行日 2008年11月1日
Published Date 2008/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009052475
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53歳女。呼吸困難を主訴とした。45歳時、他院で完全房室ブロックの診断でペースメーカーの植え込みを施行された。49歳時、労作時呼吸苦を自覚するようになり、心不全の診断で、以後入退院を繰返していた。口唇にチアノーゼを、四肢にばち状指を認めた。経胸壁心エコーで中隔壁基部の菲薄化を認め、カラードプラ上、重度の三尖弁逆流(TR)を認めた。経食道心エコーでは心房中隔に卵円孔開存(PFO)を認め、PFOを介して連続性に右左シャントを認めた。免疫学的検査でリゾチーム値とACE値の上昇があり、ツベルクリン反応は陰性で、完全房室ブロックの既往があることから心サルコイドーシスと診断した。心不全の主原因は心サルコイドーシスに伴う心機能低下であったが、PFOに伴う低酸素血症が増悪因子として考えられ、三尖弁輪縫縮術、PFO閉鎖術を施行した。低酸素血症は著明に改善し、心機能の改善は認めなかったが、TRは軽度改善して日常生活動作の改善が得られた。
©Nankodo Co., Ltd., 2008