発行日 2010年8月1日
Published Date 2010/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010332088
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著者らの施設で心拍動下CABG(OPCAB)を施行した96例を対象に、術中に塩酸landiololを使用した59例(L群)と非使用の37例(C群)に分け、比較した。その結果、1)L群では、landiololの維持投与量は平均4.7±4.3(1.5~20.0)μg/kg/分で、術中に高度の徐脈または低血圧で投与を中止した症例はなかった。2)術中の心拍数は両群とも有意に増加したが、L群で心拍数が有意に少なかった。3)術前の血圧はL群で有意に高く、またL群では投与前後で変化を認めなかったが、C群では有意な血圧上昇が認められた。4)術後心房細動発症率はC群37.8%、L群18.6%と、L群が有意に低率であった。また、術後の心房細動回避率はL群で有意に高かった。以上、これらの結果から、landiololのOPCAB中低用量持続投与は術後心房細動発生を抑制し、手術成績の向上に寄与する可能性が示唆された。
©Nankodo Co., Ltd., 2010