発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010320091
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
日齢15日の男児。心雑音と多呼吸を認め、日齢6日に他院より搬送された。入院時心エコーで上行大動脈と主肺動脈の間に長径約10mm以上の欠損孔を認め、大動脈中隔欠損症と診断して修復術を施行した。手術所見でValsalva洞から右肺動脈起始部までの大きな欠損を認め、Mori分類III型(全欠損型)と診断した。大動脈内側からのパッチ閉鎖では遺残短絡を残す懸念があるため、縫いしろとなる大動脈側の組織を十分にとりつつ上行大動脈と肺動脈幹、右肺動脈起始部を完全に分離・離断し、大動脈側の開窓部は直接縫合閉鎖した。一方、大きな欠損孔となった肺動脈側開窓部は、新鮮自己心膜片を補填してパッチ拡大再建術を施行した。術後経過は良好で、術後22日に軽快退院し、術後4ヵ月の心エコーで上行大動脈と肺動脈に狭窄は認めず、術後6年の現在、無再発で生存中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010