発行日 2010年9月1日
Published Date 2010/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010320092
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心臓手術後の手術部位感染により表層・深部切開創感染を呈した患者のQOLを損なわず創傷治癒を促進させる目的で、ポータブル吸引器による持続陰圧吸引(VAC)療法の独自システムを考案し、臨床応用(60歳男)した。症例は大動脈弁狭窄症で、大動脈弁置換術を行ったところ、術後10日に胸部正中切開創の皮膚離開(切開部深層)があり、胸骨骨髄にまで達する深層の手術部位感染と診断した。創部よりコアグラーゼ陰性ブドウ球菌を検出した。CTでは腐骨所見を認めず胸骨骨髄炎はないと判断し、直ちに考案したVAC療法を開始した。VAC療法2週間で表皮化が進み、感染陰性となり、創は3週間で完全に閉鎖した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010