発行日 2016年7月1日
Published Date 2016/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016339088
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手術した胸腺癌9例(男性7例、女性2例、平均年齢59.8歳)について臨床的検討を行った。術前針生検を行った4例は全て胸腺癌と診断された。完全切除は5例、不完全切除は1例、生検のみ3例で、合併切除臓器は肺4例、心膜2例、胸壁、上大静脈、右横隔神経各1例であった。病期(正岡分類)はII期1例、III期4例、IVa期、IVb期各2例、組織型は扁平上皮癌4例、小細胞癌、腺癌、カルチノイド、リンパ上皮腫様癌、胸腺肉腫様癌各1例であった。転帰は術前化学療法でPRとなったIII期2例は完全切除、IVa期1例は不完全切除であり、II期の扁平上皮癌は完全切除後18ヵ月で肝臓に再発し、ラジオ波にてその後再発はなく生存中である。III期の小細胞癌の1例は12ヵ月後に、腺癌の1例は22ヵ月後にそれぞれ原病死した。カルチノイド、リンパ上皮腫様癌とIVa期の扁平上皮癌、胸腺肉腫様癌は生存中であり、IVb期の扁平上皮癌2例は術後20ヵ月、36ヵ月に原病死した。
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