発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010155775
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
40歳代男。主訴は検診時胸部X線像の異常陰影で、右下肺野に結節影と右第2弓に突出像を認めた。CTでは右S8に気管支透亮像と胸膜陥入像を伴う26×13mmの結節影を認め、さらに上大静脈に接するように52×38mm大の充実性腫瘤を前縦隔に認めた。右下葉S8の結節影に対する経気管支的擦過細胞診ならびに透視下腫瘍生検で肺腺癌と診断し、前側方切開・第4肋間開胸アプローチにて縦隔腫瘍と胸腺右下極、および右肺下葉切除術を施行した。縦隔腫瘍の術中迅速細胞診はリンパ球優位の胸腺腫の診断であり、病理組織学的に縦隔腫瘍はtype AB、肺腫瘍は混合型腺癌IA期であった。術後2週間の遷延性肺漏を認めた以外は順調な経過をたどり、テガフール・ウラシル内服により外来で経過観察中である。
©Nankodo Co., Ltd., 2010