発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010155760
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87歳男。自宅で脚立から転落し、脚立の開き止めストッパー(成傷器)が右前胸部・乳頭内側やや頭側から刺入した。搬送時は成傷器が救急隊により体外で切断されバイタルサインは安定していた。胸部3次元CT所見にて心大血管損傷は否定され、右胸腔内出血、第3・4肋骨骨折と皮下気腫を認めたが肺の虚脱はわずかであり、胸部杙創による開放性胸壁損傷、右外傷性血気胸と診断した。胸腔ドレーンを2本留置して静脈麻酔下に用手的に成傷器を抜去し、抜去創洗浄後デブリドマンを行い一期的に閉創した。術直後の画像所見にて右肺の拡張は良く肺内出血の悪化を認めず、胸腔ドレーンからの血性排液は経時的に減量し、エアリークは翌日に消失した。第8病日に胸腔ドレーンを抜去してセファゾリンを5日間使用し第13病日に独歩退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010