発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010155766
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症例1は48歳男で、転倒により右側胸部を打撲しX線像で右第9肋骨の骨折を認めたが血気胸は認めず、一旦帰宅した。翌日一時的に意識を消失し胸部CTで右血胸を認めたため、ドレナージを施行した。入院後6日目に胸腔鏡下に血腫除去を施行した際、骨折した肋骨周囲の壁側胸膜が破綻しその外側に血腫を認めたことから、血胸の原因は体動による肋間動脈からの出血と考えられた。症例2は79歳男で、交通事故により前胸部を打撲し、胸部画像にて血気胸などを認めなかったため一旦帰宅したが、翌日左半身麻痺が出現した。CTにて右胸腔内から肝臓前面にかけての血腫と右大脳半球における広範な低吸収域を認めた。血管造影により、右内胸動脈末梢から造影剤の漏出を認めたため塞栓術を施行した。脳梗塞に関しては右内頸動脈に99%狭窄を認めたため、浅側頭動脈と中大脳動脈の吻合術を施行した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010