胸部・気道損傷の治療
穿通創 穿通性胸部外傷
三浦 弘之
1
,
緒方 潔
,
名和 公敏
,
小長井 直樹
,
加藤 治文
1東京医科大学八王子医療センター 胸部外科
キーワード:
開胸術
,
胸部外傷
,
デブリードマン
,
穿通創
,
外傷重症度スコア
,
胸腔ドレナージ
Keyword:
Debridement
,
Thoracotomy
,
Wounds, Penetrating
,
Thoracic Injuries
,
Injury Severity Score
pp.1013-1017
発行日 2006年10月1日
Published Date 2006/10/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2007020970
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1987~2005年に当院で入院加療した穿通性胸部外傷18例(男13例、女5例、8~69歳、平均36.7歳)を対象に臨床的検討を行った。鈍的外傷(刺創)14例、鈍的外傷(杙創)4例であった。刺入部は前胸部が圧倒的に多く14例中10例を占め、背部が3例(重複あり)、側胸部が2例であった。刺創が10ヶ所以上の症例は1例、3ヶ所が1例、他の症例は1例であった。10例に血胸を認め、胸腔ドレナージを施行したが、2000ml以上の血液が排出された3例中1例は24時間以内に死亡した。5例は気胸を呈し、うち1例は両側性で右緊張性気胸を呈していた。心タンポナーデは2例に認めたが、1例は良好な経過を辿ったが、1例は意識回復は果たせなかった。杙創の受傷機転は落下2例、交通外傷1例、スポーツ外傷1例で、刺入部は右側胸部2例、左側胸部2例であった。2例は創部の洗浄とデブリードマン、2例では更に胸腔洗浄を併用し、一期的に縫合閉鎖し、4例とも合併症なく退院した。心肺停止例では状態の改善は困難である。
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