発行日 2005年3月1日
Published Date 2005/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2005130151
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32歳男.建設現場で15m上方から落下した工具(ラチェット)が右後腋窩線上第7肋間に穿通した.胸部CTで工具先端は横隔膜胸腔側表面にあり,明らかな気胸や液体貯留はなく,肺実質の挫傷や肝損傷も認めなかった.右前腋窩線上第5肋間にて10cm開胸したが刺入部および工具の観察が不能であったため,胸腔鏡を挿入して胸腔内を観察したところ,工具先端は肺実質を穿通しており,約1cmの横隔膜挫傷が認められた.胸腔鏡で観察しつつ工具を抜去したが,肺実質,胸壁にはいずれも活動性の出血は認めず,挫傷した肺を部分切除した.横隔膜挫傷部の損傷は小さく出血もなかったため放置し,胸腔内他臓器に損傷・出血がないことを確認してドレーンを挿入し手術を終了した.術後経過は順調で,14日目に退院した
©Nankodo Co., Ltd., 2005