発行日 2010年2月1日
Published Date 2010/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010107242
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66歳女。脳梗塞を主訴とした。Ebstein奇形の経過観察中に右後頭葉の脳梗塞による四肢痙攣を発症し、奇異性脳梗塞が疑われた。胸部X線、心電図、経胸壁心エコー、心臓カテーテル、胸部CT、脳MRIを行い、右心不全を伴う重症三尖弁閉鎖不全、卵円孔開存(PFO)、PFOを介した奇異性脳梗塞を伴うEbstein奇形を認めた。また、精査中、胸部CTにて右上葉S2に径17mmの腫瘤影を認め、右肺腺癌cT1N0M0、臨床病期Iaと診断された。これらに対して三尖弁置換、卵円孔閉鎖術と右肺上葉切除・リンパ節郭清の心肺同時手術を行い、術後は不整脈を認めることなく順調に経過した。なお、肺癌については高分化型腺癌、pT1N0M0、病理病期Iaと診断され、外来経過観察となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2010