発行日 2010年3月1日
Published Date 2010/3/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010155764
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63歳女。僧帽弁および大動脈弁置換術、三尖弁形成術と心房細動に対する肺静脈隔離術後、2度にわたりショックに陥った。1度目は術翌日に呼吸不全および低拍出量症候群が出現し、再挿管の上カテコラミンの増量および大動脈バルーンパンピング挿入、hydrocortisone静脈内投与を行った。2度目は術後32日目に呼吸困難と意識消失が出現し、再挿管の上ステロイド投与と持続血液透析、hydrocortisone投与によりショックから離脱できた。血液検査にて甲状腺刺激ホルモン、遊離トリヨードチロニン、遊離チロキシン、副腎皮質刺激ホルモンの低下を認め、levothyroxine・hydrocortisone併用内服により術後の嘔気・食欲不振・全身倦怠感は著明に改善した。その後の副腎皮質刺激ホルモン放出ホルモン負荷試験で正常反応が確認され、ストレスを原因とした相対的副腎不全と甲状腺機能正常病態症候群であったと診断した。
©Nankodo Co., Ltd., 2010