胸部外科の指針
ハイリスク症例における開心術後予防的陰圧閉鎖療法の効果
高澤 一平
1
,
三澤 吉雄
,
上杉 知資
,
菅谷 彰
,
阿久津 博彦
,
楜澤 壮樹
,
佐藤 弘隆
,
村岡 新
,
相澤 啓
,
大木 伸一
,
川人 宏次
,
種本 和雄
,
福嶌 五月
,
藤田 知之
,
小林 順二郎
1自治医科大学 心臓血管外科
キーワード:
危険因子
,
縦隔炎
,
治療成績
,
開心術
,
陰圧閉鎖療法
Keyword:
Mediastinitis
,
Risk Factors
,
Treatment Outcome
,
Negative-Pressure Wound Therapy
pp.731-736
発行日 2017年8月1日
Published Date 2017/8/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2017338833
- 有料閲覧
- 文献概要
- 1ページ目
2012年9月~2015年2月に胸骨正中切開による開心術を行った感染ハイリスク症例134例(男78例、女56例)を対象に、予防的陰圧閉鎖(VAC)療法を行い、術後6ヵ月までの正中創部感染の有無により有効性を検討した。VAC使用期間は平均5.9日であり、周術期死亡や縦隔炎の発生はなく、創部感染は3例(2.2%)に認めた。このうち2例は胸骨が露出した創部感染であったが他の1例は表層のみに限局し、3例とも5cm長以下であり、起炎菌は表皮ブドウ球菌であった。1例は胸骨ワイヤーを抜去し後日再固定術を行い、他の2例はVAC療法を継続し保存的に二次治癒して軽快退院した。退院後創部感染で再入院した症例は認めなかった。
©Nankodo Co., Ltd., 2017