発行日 2009年11月1日
Published Date 2009/11/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2010071370
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著者らは肺区域切除術において簡便で汎用できる方法を工夫したので報告した。従来、多目的チューブを用いて気管支を大きく切開し、カニュレーションしていたが、分岐角度や気管支の径が細いため、送気不良あるいは不能例を経験してきた。そこで、区域間の識別は切除側含気法で行い、生体組織接着剤噴霧用スプレー器具を使用して送気することとした。本法をこれまで約20例に施行されたが、送気不能例はなかった。尚、本法の利点として、1)術野からの操作が可能である、2)目的気管支の同定、送気が容易である、3)チューブのカニュレーションが不要であり、気管支切開創が小さく、分岐角度にかかわらず送気が可能である、4)切開区域のみ含気状態となるため小開胸胸腔鏡手術下でも視野に影響が少ない等があげられた。反面、欠点としては気腫肺ではair trapが起こり、区域間の同定がしづらいことがあるが、これは送気速度を緩める等で解消可能であった。
©Nankodo Co., Ltd., 2009