発行日 2009年9月1日
Published Date 2009/9/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009346692
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52歳男性。患者は突然の胸痛を主訴に近医を受診、CAGにて右冠状動脈瘤を指摘され、著者らの施設へ紹介となった。入院時、心電図ではII、III、aVfのST上昇を伴う完全房室ブロックが認められ、胸部CTでは直径40mmの右冠状動脈瘤をがみられ、心エコーでは弁輪拡大による僧帽弁閉鎖不全が中等度確認された。また、心臓カテーテル検査では右冠状動脈瘤の内腔に欠損像がみられた。以上より、本症例は急性冠症候群を発症した巨大右冠状動脈瘤と診断され、瘤内遊離血栓により虚血症状を繰り返すため、準緊急的に体外循環下で冠状動脈バイパス術および冠状動脈瘤流入・流出血管の結紮が施行された。その結果、病理組織学的に動脈硬化性冠状動脈瘤であり、術後は経過良好にて現在も無症状で経過している。
©Nankodo Co., Ltd., 2009