発行日 2009年7月1日
Published Date 2009/7/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009296144
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65歳男。突然の胸部不快感と呼吸苦を自覚し、近医にて急性心筋梗塞を疑われ当科搬送となった。大動脈弁狭窄症による心不全と診断して入院した。Levine分類III度の収縮期雑音を聴取し、内シャントが左前腕に増設されていた。胸部X線で心拡大はなく大動脈に著明な石灰化を認め、CTでは上行大動脈は広く全周性に石灰化を呈し腕頭動脈にも及んでいた。循環停止下で冷却を開始し、上行大動脈置換術を施行した。腕頭動脈の石灰化が予想以上に広いため上行置換のみでは不十分と判断して部分弓置換と腕頭動脈の再建を行った。術後17時間で抜管、術後2日目より維持透析を開始しMRSA腸炎を併発したが改善しその他合併症もなく術後33日目に退院した。
©Nankodo Co., Ltd., 2009