発行日 2006年4月1日
Published Date 2006/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2006157056
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石灰化を伴った大動脈弁狭窄45例に対し,超音波手術器Sonopetを用いて弁輪部石灰化の破砕と脱灰を行った後,大動脈弁置換術を施行した.全例で本法を施行することができ,手技中に弁輪部が過剰に破壊されたり組織を損傷することはなく,破砕・脱灰した石灰が飛散して除去に困ることもなかった.弁輪部は十分に拡大され,組織に柔軟性が出たため,37例で水平マットレス縫合が可能であった.術後,弁周囲逆流を認めた症例はなく,手技が簡便で時間もかからないことから本法は有用と考えられた.術前に19mm未満の狭小弁輪を有すると診断されたS群で,術前に比べて有意に大きなサイズの人工弁を挿入できた.S群における体表面積は従来報告と同様に小さく,術後の心エコー結果や経過も良好であったことから,人工弁サイズは妥当と考えられた.S群・L群間の検討では,弁の位置,術後の安静時の大動脈弁圧較差,NYHA分類,予後に有意差はなく,左室収縮末期径のみに有意差が認められた
©Nankodo Co., Ltd., 2006