肺癌の集学的治療2008年
進行肺癌に対するtri-modality therapyとしての外来術後放射線化学療法
遠藤 千顕
1
,
近藤 丘
1東北大学加齢医学研究所 呼吸器再建研究分野
キーワード:
Carboplatin
,
食道炎
,
肺腫瘍
,
肺切除
,
白血球減少症
,
Paclitaxel
,
アジュバント化学療法
,
アジュバント放射線療法
,
ネオアジュバント療法
,
放射線化学療法
,
外来診療
Keyword:
Ambulatory Care
,
Esophagitis
,
Leukopenia
,
Lung Neoplasms
,
Pneumonectomy
,
Carboplatin
,
Chemotherapy, Adjuvant
,
Paclitaxel
,
Radiotherapy, Adjuvant
,
Neoadjuvant Therapy
,
Chemoradiotherapy
pp.15-18
発行日 2008年1月1日
Published Date 2008/1/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2008133505
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術後病理報告で切除線に顕微鏡的遺残が想定されるようなp3例あるいはN2例に対し、術後外来治療としてcarboplatin(CBDCA)+paclitaxel(PTX)を行い、あわせて放射線の同時併用療法が行われた。この有用性について検討した。対象は原発性肺癌切除後2ヵ月以内の年齢70歳未満の患者で、十分な臓器機能を有し、明らかな間質性肺炎を有さず、無再発の状態である4症例とした。その結果、1)60Gyの照射とCBDCA 2mg/AUC+PTX 45mg/m2を週1回投与したところ、全例で投与の遅延はなく、外来で完遂することができた。2)Grade 3以上の副作用は認められなかったが、Grade 2の副作用としては食道炎や末梢神経炎を各1例に見、また白血球減少を2例に認めた。Grade 1の副作用としては食道炎が2例、白血球減少が1例に認められた。3)毒性の観点からは許容可能なメニューであると思われた。特に、CBDCA+PTXの化学療法において比較的多く経験する末梢神経炎は、術後のQOLがやや低下した状態をより悪化させる可能性がある毒性と言える。だが、本メニューではそれが軽度であったことは利点の一つであると考えられた。
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