発行日 2009年4月1日
Published Date 2009/4/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2009178879
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18歳女。自動車事故により外傷性胸部大動脈損傷、下顎骨骨折、多発肋骨骨折を受傷した。CT上、大動脈峡部小彎側に30×18mmの仮性瘤を認めたが、頭蓋内損傷も否定できない状態であったため集中治療室で厳密に降圧療法を行い経過観察した。経過中急性呼吸促迫症候群を併発したため一時的に人工呼吸管理を行ったが、人工呼吸器離脱後は仮性瘤の大きさに変化がないため第55病日に一時退院した。2ヵ月後、大動脈瘤に対する手術目的で再入院し、術前3次元CTにて仮性瘤の拡大および左椎骨動脈単独起始が確認されたため、左総頸動脈に吻合してから体外循環下に弓部大動脈置換を施行した。術後は合併症なく順調に経過し1年後のMRIアンギオでは特に狭窄はなく後遺症も認めていない。
©Nankodo Co., Ltd., 2009