発行日 2015年2月1日
Published Date 2015/2/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2015140386
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48歳女。自動車運転中に交差点内で右側からきたワンボックスカーと衝突して前胸部を強打し、救急搬送された。CT検査で左第1肋骨骨折と縦隔血腫を認めた。さらに弓部大動脈周囲の血腫と潰瘍様突出像(ULP)を認め、弓部大動脈損傷が疑われたため入院加療となった。肋骨骨折は保存的治療の方針とした。受傷5日後のCTで弓部大動脈の血腫は吸収されていたが、ULPが顕著となり、近位弓部大動脈に限局した瘤化を認めた。経過観察CTを受傷12日後と20日後にも行ったがULPの大きさに変化はなく、瘤の拡大も認めないため待機的手術の方針とし、受傷37日後に手術を施行した。手術は順行性脳分離体外循環下に、腕頭動脈と左総頸動脈の間で大動脈を離断し、部分弓部大動脈置換術を行った。術後経過は良好で、14日目に退院となった。
©Nankodo Co., Ltd., 2015