発行日 2015年12月1日
Published Date 2015/12/1
DOI https://doi.org/10.15106/J00349.2016087077
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症例1は52歳男性で、呼吸困難で近医に救急搬送され、心エコーで高度の大動脈閉鎖不全症(AR)を認め、3D-CTで大動脈基部の著明拡大を認めて手術目的に紹介受診した。症例2は54歳女性(症例1の姉)で、数年前からARを指摘され内服治療中であった。息切れ・下腿浮腫の増悪で弟の紹介で受診した。症例3は37歳男性(症例1、2の弟)で、胸部不快感、呼吸困難で兄、姉の紹介で受診した。3例とも大動脈弁は3尖で、ARの原因は大動脈弁輪拡大による弁尖の接合不全と考えられ、人工心肺を確立後に人工血管と人工弁(症例1、2は生体弁、症例3は器械弁)を用いてcomposite graftを作製し、intra-annular法で縫着した。左右冠状動脈は冠状動脈ボタンを作製して縫着し、循環停止下でopen distal法により大動脈遠位吻合を行った。症例1(術後2年10ヵ月)、症例2(術後2年9ヵ月)、症例3(術後1年10ヵ月)とも健在である。
©Nankodo Co., Ltd., 2015